言葉とがめ

1985年のおあずかり

http://d.hatena.ne.jp/kuzan/20060802/1154533964 川田順造「〈言語時評〉“ちょうどおあずかりします”」 言語生活399 というのがあるのでした。 1985年3月。消費税よりも前の話。

今日の「言葉とがめ」は、カテゴリー本来の「人の言葉とがめをメモする」。 「飲んだら乗るな乗らせるな」という標語についての違和感の表明を聞いた。 「飲んだら乗らせるな」というのは、「私が飲んだら、他の人に運転させてはいけない」と言っているよう…

駄目だし

「駄目だし」という言葉は、バグ取りのように、駄目な点を指摘してよいものに仕上げてゆくことだと思っていたのだが、単に、「駄目だ」と指摘する行為をいうようになってきているようだ。古い意味の方も、「駄目だ」と指摘するわけだが、そこには「よくなっ…

「丁度のお預かり」

「丁度のお預かり」という言い方が出てきたことについての社会的要因を、消費税導入と関連づけて説くことがある。しかし、これはピンと来ない。社会的要因を求めるのであれば、消費税導入よりも、レジのレシートのお釣り表示だろう。いつ頃からであろう、レ…

「元旦の夜」

「元旦」が「元日の朝」だと知っていても、「元旦の夜」をおかしいと思わないこともあるだろう。……こうして私たちは元旦を迎えた。 その夜のことである。というのは許せるだろう。これと同じように「元旦の夜」は許せそうに思う。しかし、……こうして私たちは…

authentification

SMTP-AUTHを調べていて気付いたこと。 authenticationの他に、authentificationという語形もあるようだ*1。 googleでは「もしかして: authentication」と出るが、authentification というのは、authenticationが、identification(など?)に牽引されて出来た…

「博士」の続き

「学位の時にはハクシと読むように定められている」というのは、伝説の類ではないか、と書いて*すぐ、Yeemarさんの「博士―ハカセとハクシ」に行き当たりました*1。穂積陳重『法窓夜話』**2に、学位令発布当時の森有礼文部大臣が、ハクシと呼ぶべきだと言った…

なまぬるく

「あたたかく見守る」の意図的なバリエーションとして、「なまあたたかく見守る」という言い方があるのは知っていたが、先日、「なまぬるく見守ってください」というのを耳にした。発話者は大学二年生女子。場面は数十人を前にした自己紹介。 「なまあたたか…

学位の博士を「はかせ」と読むのは俗

学位としての「博士」は、正式には「はくし」であり、「はかせ」と読むのは俗、と言われるが、「正式に決めている」のは、なんだろう、どこだろう。日本国における法律や規定の類が、文字面だけでなく〈よみかた〉を決めているとしたら、これは珍しい例では…

万愚節

エイプリル・フールが「四月馬鹿」で、オール・フールズ・デイが「万愚節」。 別に、「今日はエイプリルフールです」というのを咎めているわけではない。 『日本国語大辞典』が第二版でも「万愚節」を「April foolの訳語」とするのが、気がかりなだけである…

テレビで「ビンタ」

子供がテレビ大阪で、巨大な包丁を担いだアニメを見ていたが、そのあと三宅裕司のこくご塾とかいう番組が始まった。 そこで、ビンタという語について「鬢をたたく」から来ている、というような説明をしていた。 ちょっと危ない(不十分な)説明と思った。「…

若い人のことば

若い人の使っている「コンパ」が、我々の言っていた*1ところの「合コン」(合同コンパ)である、というのは聞いておりましたが、「オール」というのはどういう意味なんでしょう。 「オールナイト」のことだろうとは思うのですが、一人で夜更かししても「オー…

観世音

20:45からのNHKローカルニュースで*1、「観世音経」を、カンゼノンキョーと読んでいた*2。 法華経普門品と言えば、私がこれを、フモンボンではなく、ブモンボンと読んでしまっていたし、読んでしまいそうになる。 *1:木簡出土 *2:http://d.hatena.ne.jp/kuza…

東亰

小野不由美『東亰異聞』などに見られるように、現在の(読書人の)常識では、「東京=とうきょう」「東亰=とうけい」という棲み分けがなされているように見受けられ、それが何に依るのであろうか、気になっていた。先日、神保町で小木新造『東亰時代―江戸と…

テレビで

テレビで「ラジオの時間」をやっていて、その中で、「上を見上げる」とは言わない。という言葉とがめをやっている。「頭痛が痛い」と同じだ、とも。

過剰矯正?

聞き間違えかもしれないが、資生堂のCMで、「自らにカセている」と聞こえたのは、「自らに課している」のことではないか。そういえば「よらしむべし」を「よらせむべし」と書いてあるのを見たことがあるが、福井新聞だったかな。いつかの年の、2.27。嶺北版2…

持ち上がる

私なら「持って上がる」というところ。

区画整理

旧地名を整理して新たな地名にする、あるいは、「何番地の何」から「何丁目何番何号」にすることを「区画整理」と、私は、以前言っていたが、「区画整理」という言い方は、土地に手(ブルドーザーなど)を入れて、道路を付け替えたりすることであるように思…

イノマナリ

「井真成」をイノマナリと読んでいるという噂は聞いていたが、今日、NHKラジオで確認。 「井手」「井口」「井上」などの日本名*1を「修して」、「井真成」としていると推定されるわけで、「藤貞幹」を「ふじさだみき」と読むようなものではないか。「余熊耳…

容疑者が憎い

憎いのは容疑者ではなくて犯人であるはずなのだが、犯人のことを自動的に容疑者と呼び替える習慣のせいで、「容疑者が憎い」などという言い方を耳にすることになる。もちろん、容疑者といってもさまざまで、ある行為をしたことに間違いはないが、その行為自…

「替刃」は「替えの刃」に非ず

電気髯剃りがもう駄目なので、繋ぎに髯剃りを買ってみる。「替刃3枚付き」のを買ったのだが、開けてみると、「1枚は本体に装着されています」と、替刃のケースには2枚しか入ってない。本体に付いている刃は「替刃」とは言わないのではないかと思うが、「…

言い間違い・麦粒腫

「エエジャナイカ」で、「ものもらい」のことを「もらいもの」と言っている眼科医の話が出ている*。言った後で、「めばちこ」と言い直したそうだから、もともと関西の人なのかな。 私は、福岡の出で「目イボ」を使う。「メボ」*1を、再解釈した語形と説かれ…

差別語と語源

ことばことばの6/24「支那ということば」*で思い出したこと。田中角栄が人気があった頃に、自分の子供に「角栄」と名づけた田中さんが居た。子供が大きくなったころ、田中角栄の人気は凋落し、その子は「角栄!」「ピーナツ!」「わいろ!」などと虐められ…

昨日、頭痛気味でぼんやりした状態で、テレビを眺めていたら、ドラマで「『すさまじきものは宮仕え』って言うじゃないか」と言っていた。「言わん言わん」と突っ込んだが、ググって見ると、沢山ありますね。意図的に(洒落で)書いている人もありますが、「…

芸能人

思い出せないこと。「芸能人」のアクセントがおかしいと言う指摘。みな、「げいの'ーじん」と言っているが、「げいのーじ'ん」と言うべきではないか、と言っていたのは、誰だったか。「笑点」で三遊亭小遊三も言っていたが(これもずっと前のこと)、これは…