『言語生活』432号

本棚からたまたま手に取った『言語生活』の一冊が「著作権 引用・パロディ」という特集だった(1987.11 通巻432*)。
「座談会 著作権と公共性―保護と開放のはざま」など、なかなか面白い。なだいなだの著作権不要論など。「子孫に美田を残さず」の話もある。


編集部「音楽著作権と出版 歌詞の引用をめぐって」は、書協の「音楽著作物の引用問題に関するご報告とお願い」(1985.7*1)を、全文(?)引用するほか、出版界とJASRAC間の慣行(政治的妥協とか)が伺えて興味深い。筆者は、「編集部・藤本由香里」である。「『言語生活』編集担当」とある。

書籍や雑誌の場合には一曲につきいくらと定められている。部数によって値段が違うのだが、部数に比例するわけではないので、自然、小部数の本ほどその負担は重くなる(ちなみに『言語生活』の場合、一曲につき五千円強である)。これが本当の使用のとき(例えば雑誌の口絵に載せるとか、アンソロジーとか)のみ請求されれば問題は少ないのだが、歌詞の一節(一行)以上の引用についても同じだけ請求される……

「一節(一行)」は「ことばのくずかご」に。

標題のみ。

*1:これ以前は、引用は「一節(一行)以内」に限るという定量であったという。