不用本?

図書館で、「不用決定対象リスト」というのが作られているらしい。ちょっと待て、ちょっと待て。

外からは見られないので、連休が終わったら、早速見ないといけない。

重複図書だとか、古すぎる情報で人を誤らせるおそれがあって歴史的価値のないもの(?)を対象とするのだ、と聞いたような気がするが、重複だとどうやって認めたのだろう。1ページ1ページめくって照らし合わせて、「全く同じでした」としてくれたのならよいが、絶対にそうではあるまい。刊記だけちょろっと見て判断したに違いない。まさか、刊記も見ずに、ってことはなかろう。


しかし、もう一方の基準はなんだろう。手許に詳しい記述のものがないのだが、「古い情報」には、歴史的価値が生じているではないか。誰が、歴史的価値がない、と断じることが出来るのだ。歴史的価値があるかどうかを見るのは、検閲ではないのか。図書館は検閲に反対するのではないのか。



廃棄は、単に場所をふさがないためだ、中身を葬るのではない、というのなら、廃棄する前にせめてスキャンしてくれ! と言いたい。


前、別の図書館で、もっと恐ろしい廃棄提案があったとき、私は幸い発言のチャンスがあり、「いま、やっとOPACなどが充実してきて、全国の図書館にどんなものがあるのかが、次第にわかるようになってきた。今後、遡及入力が進んでくると、どんな本が多く残っているか分かるようになるだろうから、せめてそれまで待つべきだ」というようなことなどを発言した。

現在も、同様に、スキャン技術が向上しているから、せめて一冊丸ごとスキャンが出来るようになるまで待つべきで、さらには、紙質だとかの書誌的情報も残した上で廃棄をすべきだろう。


それから、これは、前から言っているのだが、処分をするのなら、よい本(評価の高い本)からが理想だ。それだったら古書店につぶされることもないだろうし*1、どこか、しかるべきところに引き取られるだろう。
評価の定まっていない雑本は消えゆくおそれが高い。淘汰されるものはそれなりのもの、とおっしゃる向きもあろうが、所蔵者の無理解によって消えていったもので、後に惜しまれているものは多くあるのだ。

*1:古書価の全体的な値崩れが心配要因ではあるが