「丁度のお預かり」

「丁度のお預かり」という言い方が出てきたことについての社会的要因を、消費税導入と関連づけて説くことがある。

しかし、これはピンと来ない。社会的要因を求めるのであれば、消費税導入よりも、レジのレシートのお釣り表示だろう。

いつ頃からであろう、レジが客の入金を打ち、それでお釣りまで表示されるようになったのは。かつては、スーパーマーケットなどでも、お釣りの計算はレジスターでやってはいなかったような気がする。

客から入金された額を表示する項目名に「オアズカリ」が選ばれた背景も詮索しなければならないが、「千円オアズカリ、お釣りはゼロ」と言いながらレジ打ちをする習慣を持つ店員が、「丁度のお預かり」という言い方を広めたということはあり得るように思う。
だれか、家計簿代わりにレシートを貼り付けているという人が集まって、いつ頃から「オアズカリ」があるのかを探してはくれないものか。でも、レシートの字は消えちゃいますよね。私が保有している1988年のレシート*1は消えかけています。

*1:「シロゴハン」の用例として、柴田武『生きている方言』に挟んでいた物。