甘棠館

高校時代にその存在を知ってから、亀井南冥は好きでした。といっても、高校生が漢文の著作を読むわけではなく、単に修猷館に対抗した、ということが気に入っていただけです。
修猷館が東、というのが、落ち着きませんでしたが、博多ではない福岡ですから仕方がありません。

さて、

金印偽造事件?「漢委奴國王」のまぼろし

金印偽造事件?「漢委奴國王」のまぼろし

これは古代史の本と言うよりも、近世漢学史の一環として楽しめる話題だ。亀井南冥の他に、本居宣長上田秋成大田南畝、高芙蓉、島田藍泉、藤貞幹、顕常、大潮、皆川淇園といった人物の名が見える。


また、中野三敏日野龍夫・水田紀久という近世文学研究者の文章も引いてあるが、このあたりをもう少し考証してあるものを読みたい。藤貞幹の胡散臭さを、最初の方では言及せず、後の方で出してきたのは、なんとなく落ち着かなかった。藤貞幹のあやしさを知っている我々は、出たな、って感じで読むのだけれども。

金印研究論文集成

金印研究論文集成

これの目次、どこかにないかな。
『廣文庫』の「印」の項も参照できる。


「仙崖」は、「仙厓」とするのが普通だが、誤植か*1

amazonの現在の表示では、副題が「王」ではなく「士」になっているので、報告しておいた。こういうので、ポイントがもらえるのであればどんどん報告するのだが。


http://homepage1.nifty.com/miuras-tiger/
http://homepage1.nifty.com/miuras-tiger/utagaukotokara.htm

*1:JISの第二水準までにない字だから代用字か。