新宣命書き

くらいし・たけしろー「コクゴとカンジ」*1の表記は、仮名大書の宣命書きで、漢語を片仮名にしたものだと思っていたが、最後に編集部の附記があった。

大小とも同じ列になるやうにとのことでしたけれど都合でそこまで徹底した組方が出来ませんでした。

つまり、くらいし氏は宣命書きのように付属語を右下に書くのではなく、真下に書きたかったのであろう。

「なって」の「つ」も「て」も小さく右寄せしてあるのだが、促音の「っ」は右下希望だったのだろうか。

コクゴ・モンダイいえ、ホーメンいろ/\あよーみえる、いまモンダイなっかぎりでわ、ケッキョク、カンジことチューシンあり、

上では、「なつて」の「つ」は促音用の文字を(フォントサイズを変えずに)。「て」はフォントサイズを小さくして*2書いています。


これ、倉石武四郎著作集にはいっていましたっけ。



宣命書きと言えば、

人類とぼけ―ぼけ研究の歩み (講談社学術文庫)

人類とぼけ―ぼけ研究の歩み (講談社学術文庫)

この本も、「と」が右寄せして、「とぼけ」と読まれないようになっていた。amazonに画像はないようだけど。


右寄せではありませんでした。


宣命書きって何?という向きには、

http://www.k5.dion.ne.jp/~plan/senmyou/senmyou.html
これが案外わかりやすかったりする。


ちゃんと図示してあるから。

*1:『国語国文』15-3/4(1946)所収。

*2: span style="font-size:x-small;"