挨拶

によれば*1、「原稿を書け、しかも原稿を読むな」と言ったのが永田秀次郎


挨拶はむづかしい (朝日文庫)

挨拶はむづかしい (朝日文庫)

の巻末対談から。

 野坂 ぼくは、なかなか用意が出来ないんですね。金子光晴さんのお葬式のとき、あらかじめ言はれてゐたんです、「面白半分」の縁で。でも、いくら考へても出てこないんですよ。弔辞のときは、読むのが当り前ですね。読んでから霊前に捧げる。ところが、ぼくのは白紙だつたんです。
 丸谷 『勧進帳』だな。(笑)
 野坂 白紙のまま霊前に置いて、佐藤嘉尚さんに「あれ、回収してきてくれ」と頼んだ。ぼくも大まかなところは頭で考へはするんです、あらかじめ言はれれば。だけど、それを字に書くとなると、だめなんですね、全然、出てこないんです。

白紙?、だったらアドリブ?、というような見出しに、ちょっと違和感を感じたので。
もちろん、部分的にアドリブがあるだろうとは思うけれど、それだったら原稿に文字が書いてあったって、あるだろうと思う。