声占い

高木東六『とうろく聖談 声占い 音声に関する珍考・漫考』サンケイドラマブックス 昭和50.6.30(カバー袖)

音声関係のものは、このあたりまで、安ければなんでも買う、という領域。

題名は、「恋占い」をもじったものだろうか。「−考」も含意があるのか。
カバーの推薦文は吉行淳之介神津善行*1


ソプラノ型・アルト型・テナー型・バリトン型・バス型と、声の質で分けて、その人格を語ってゆく、という趣向なのだが、笑ってしまうのが、「ソプラノの女」の「しめくくり」の挿話が、延々25ページも続くこと。他にも挿話はあるが、これが最も長い。

「バス属」もおかしい。本文中には、三木武夫大平透若山弦蔵美川憲一フランク永井・遠山一(ゾウさん)といったところをあげ、

この種のジャンルには人間的によくできた、常識家の素晴らしい男性が多いようである。
と書いているのだが、別ページの表で、バスに「高木東六」の名が加わっているのだ。

後半は、音痴属と音知属、クラシック属と演歌属の特質比較。ここでも、色事ネタになる。いやはや。

著者は作曲家だが、「家族そろって歌合戦」の審査員として有名だった。「○○や、ああ○○や、○○や」と言っていた。

アマゾンなどで調べると、楽譜などが引っかかる。amazon:高木東六
中公文庫の「とうろく らぷそでぃ」は目録で見るだけで、実物はまだ見てない。これも耳に残る題名である。

*1:二人「よしゆき」