近松

kanetakuさんの新・読前読後「重松と近松」を読んで、「信州川中島」が読みたくなった人のために(私がそうなのですが)、うわづら文庫に載せました。「第三」の部分のみ、電子テキストにも致しました(まだ校正が不十分ですが)。

私は吃音の歴史に少し関心があります。それは謡などを使うと吃らない、と言われるからです。能狂言の「どもり」にも、謡を使うとどもらない、ということが出てきます。近松で言えば、「傾城反魂香」は知っていたのですが、「信州川中島合戦」は知らなかったので、ぜひ読みたかったのです。

その手の話はいくつかあるのですが、これは「謡曲で方言差を克服した話」*1が繋がっていると思っています。「吃りと訛りの同様視」があったであろうということから始まった関心です。

*1:方言の違いで話が通じないとき、謡曲で会話をすれば通じた、という伝説。時は、江戸時代とも、幕末とも、明治初頭ともいう。