大阪古書会館で買ったうちの二冊が、紀田順一郎三一新書で『現代人の読書』(1964)と『読書戦争』(1978)。ともに100円。
矢口進也『文庫 そのすべて』図書新聞(1979)、これも100円。
これらを出品していた文砦、「ぶんさい」と思っていたら、値段シールに平仮名で「ぶんざい」と書いてある。
しかし、webでは「ぶんさい」とある。どういうことだろう。

購入したことは、その日のうちに書いたが、天牛新一郎『われらが古本大学』(1988)で、荒木伊兵衛『日本英語学書誌』(1931)の話が出てきた(p122。文中には「日本英学書誌」とある)。荒木幸太郎で、後に先代の名を継いだとのことだが*1、驚いたことに、

今、九十ぐらいで元気でおられます。

大阪女子大学蔵洋学資料総目録』(2000年7月25日)の、南出康世氏の跋に、

 荒木伊兵衛氏の名を語らずに本学の蘭学英学資料を語ることはできない。しかし荒木氏の消息ははっきりしない。日本英学史学会の重鎮でもあり大阪の古書肆に詳しい西岡淑雄氏にお聞きしても、その没年すらわからないが、おおよその人物像と研究歴は西岡氏の「古本屋荒木伊兵衛氏」(日本英学史学会第23回全国大会ハンドアウト)から伺い知ることができる。私の知る限りではこれが荒木氏を知る唯一の貴重な文献資料である。
とあるのしか知らなかったから驚いたのだ。日本英学史学会の第二十三回は、多分1986年。


 大阪の書店といえば、『京阪書籍商史』(1928)の著者、蒔田稲城という人のことが分からないのです。こちらの方は、出版のほうの書店ではありますが、天牛本の荒木伊兵衛のところでも古本屋の横綱として名前の出てくる鹿田静七は、この『京阪書籍商史』の役員名簿にも名前が出てくる人です。

*1:『文明移入に関する古書展覧会目録』(1925)webcatplusが荒木幸太郎の名で出されている。