ざっくばらん

昔の『日本音声學協會報』の「コトタマ往來」(一号、1926.11)に載っていた「ばっくざらん」、これは音顛倒による〈言い間違い〉だと思うが、『言いまつがい』ISBN:4101183139「ざっくらばん」は、見覚えによる記憶違いではないだろうか。リズムが、というか切れ目が違うように思える。「ざっくらばん」と言っている人は、「ざっく・ばらん」と同じように「ざっく・らばん」とは言っていないだろう。「ざっく'らばん」もしくは「ざ'っくらばん」と一息ではないか*1
追記(2006.5.29)壽岳しづ「私の言葉」『言語生活』28号に、

「まことしやか」をマコトシトヤカ、「こましゃくれる」をコシャマクレル、「ざっくばらん」をザックラバンと言うのです。わかっていながら、まちがいの癖がついてしまって、またしてもつい言ってしまうのです。
とありました。



「リズム」で思い出した。私が「理詰め」と言ったのを「リズム」と聞き間違えた人が居る。私のアクセントは、「理詰め」は平版型で、「リズム」は頭高型なのだが、その人は、「リズム」も平板型なのだろう。
「理詰め&……」、うまい洒落が思い付かない。「理詰め&ウルセー」じゃつまんない。「理詰め & proof」は、リズムはよいが、ちと理屈っぽい。
なお、「リズム&ブルース」は一語化していて、私にも「理詰め」と同様のアクセントであると感じることができる。

*1:「ざっくばらん」を頭高で一息に言う人の発音を聞いて、覚え間違えたのかもしれない、と後から思った。