お呼び出し

「呼び出し」といっても、4日の晩の話ではなく、「はかとも」のものどいさんからの話題で「テンパる」について。
これについては、ことば会議室で話題が出たとき*に、コメントしたような気がしていたのですが、していなかったようです。

まず、麻雀の聴牌(テンパイ)から来た「テンパる」という動詞(「テンパイしている」という意味)があることを、まず押さえておきたいところです。残念ながら手元に用例がありませんが、三十年以上前から存在しているはずです。


ここに引用してある記事のように、テンパった状態が「余裕のある状態」かは、ちょっと疑問で、狙う牌が出てこないかと目を見開いているところではないかと思います。
そのあたりから、あと一歩というところで必死になっている状況を指すようになり、さらには、「あと一歩」というのが忘れられたのではないかと思っておりました。

しかし、そうした意味変化に、ものどいさんがお書きの「テンション」であるとか、ことば会議室に見える「テンパー」だとかが与っている可能性もあると思います。語源を知らずに「テンパる」という語と用法を耳にして*1、その意味を「テンション」などとの類似性で理解したことが考えられるからです。

【追記】
「テンパる」の「テン」を「テンション」などで理解する人にとって、後半のハルは、恐らく「ツッパる」などとの類縁性を感じていることでしょう。「ふんばる」や「がんばる」との関係は感じているのか居ないのか。


なお、ものどいさんがお引きの、MORI LOG ACADEMY: テンパって、煮詰まっての「煮詰まって」の意味変化と共通する、という指摘も面白く思いました。

*1:ついでに言うならば、語源がすぐには知れにくくなったからこそ、「語源はテンパイ」とわざわざ言われるわけです。