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ロシア資料による日本語研究 (研究叢書)

ロシア資料による日本語研究 (研究叢書)

amazonでは、まだ出ないようだ。
江口泰生『ロシア資料による日本語研究』和泉書院 2006.2.20
http://www.bookmailclub.com/bmc/reader/search/?.command=detail&book_id=2292&prev=new

漂流民ゴンザという人が居まして、鹿児島から大阪へ行く途中に難破してカムチャツカへ漂着。そこからロシアのペテルブルグに連れて行かれて、ロシア南進のためもあって、日本語を記録させられる。その日本語は鹿児島方言なのだが、そのロシア文字による記録が今に残されている。

新スラヴ・日本語辞典―日本版

新スラヴ・日本語辞典―日本版

これは、その一部。



江口氏のこの本は、このゴンザの書き残した日本語を綿密に調査している。ロシア語の綴字のことなどを押さえた上で、18世紀鹿児島方言の音韻状況を追究している。



そういえば、ねじめ正一が、地方新聞への連載でゴンザの伝記小説を書いていた*1が、どうなったのか。単行本にはなっていないように見える。


亀田次郎(1923)「露国創刊日露辞典及其編纂者」にも、簡単な解説がある。
文中「サニマのネボグダーノフ」(p58最終行)は、「サニマの子ボグダーノフ」の誤植だが、ボグダーノフがサニマ*2の子というのは、誤伝らしい。

*1:「ゴンザとソウザ ペテルブルグの青春」1996年頃。山形新聞など

*2:この人も日本からの漂流民