ゴミとして
- 作者: 犬飼隆
- 出版社/メーカー: 笠間書院
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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一九六〇年代に入るまでの研究環境は、記紀万葉の類の他に利用できる資料は限定的であり、その制約の下でものを考えざるを得なかった。この状況を変えたのが一九六一年一月に平城京跡から出土した木簡である。正確に言えば、出土した木片に漢字を書き連ねたものが資料になると、このときに認識された。実はそれ以前にも出土していたが遺跡のもろもろのゴミとして棄てられていたと聞く。
「ゴミとして棄てられていた」という記述には、気が遠くなりそうになる。
さて、この1961年というのは、角筆文献が発見されたという年でもある。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/kakuhitu/list/kaku001.html
エポックメーキングな年だ。ガガーリンも飛んでるし。
平城宮で最初に木簡が発見されたのは、1961年1月24日、前所長の田中琢さんのエッセイでは午後2時ごろのことであったと書いていらっしゃいます。