辛い

居間でお茶漬けを啜っていると、家人がテレビを見ている。「女王の教室」というものだが、いじめの場面が映る。
見たくない。

昔、あるところに書いたもの、


 五年生の時の担任からはヌルと言われた。動作が緩慢であるからだ。ノロい、というよりもヌルいというのだ。私にとっての最暗黒時代であるこの五年生の時の通信簿は残っていないが、転校する私に対してクラスの人々が書き殴ったノートが残されている。私はこの時の転校はものすごく嬉しかった。終業式の日に転校する人々が教室の前に立っているのをとても羨ましい思いで見ていたのだが、「家から連絡があってお父さんが転勤だ」と言われた。ノートはそんな状況で書かれたものだ。それには、

むこうのがっこうにいってヌルがなおるといいね。
とか、
ヌルの競争相手がいなくなってざんねんです
とか、
のろま中ののろまなので注意するべし
とか、
きびんに動いて先生にすかれてね
とか書いてある。全く好きなことを書くものだ。
クラスの連中*1から車座の中に一人で入れられて、順に殴られたこともある。殴られ方がおかしいと言って、また殴られ。

昔のいじめは今のように陰湿ではなかった、などと言われるが、よくわからない。

「勉強はできなかったが、かけっこは速かった」*2などという人が居たという一方で、「勉強だけちょっとできるが、ひ弱で気も弱く、(教師からも)馬鹿にされる」なんていうのも居て、つらい1970年ごろだったのだ。

*1:全員ではない。まあ十人程度かな。私の頭の中の映像では二十人程度だがそれは誇張だろう。

*2:出典は何だったか忘れたけれど、古きよき日本を懐古した際の言葉だった。