金印

漢字伝来 (岩波新書)

漢字伝来 (岩波新書)

を購入した*1が、やはり志賀島の金印あたりから話が始まる。
先日、九州国立博物館に行った時に、金印型のゴム印を買った。前からこの手のものが欲しかった。随分前に行った福岡市博物館では、金属製のものが売っていて、これはかなり高価だった

私が住んでいた頃、志賀島の金印は、たしか、中洲にあった煉瓦の建物*2に置いてあったような気がする。いや、あれはレプリカだったのかな。

さて、中国語の歴史を考えると、「委奴國」は絶対に「イト國」とは読めない。「奴」は頭子音がnだが、それが非鼻音化してdのようになるのは唐代の長安あたりでのことだ。ドをさらにトと読ませるのは、無理に無理を重ねたものだ。

ナと読む方が無理が少ない。もちろん、このあたりが後世「な」と呼ばれるからだが、「奴」字が、aに近い母音を持っていたことも分かっている。「末盧」を「マツラ」に比定するのも同様だ*3

*1:目次は、岩波書店のページにあり*

*2:今は、福岡市文学館になっているらしい。

*3:「末」を「マツ」と読むのは、よく考えると不思議なのだが。