女名前

あの人の名前、なんだっけ、と思った。ミキだっけ、サキだっけ、ひょっとして別の「○キ」だっけ、と思ったわけである。

「アキ、イキ、ウキ、エキ、オキ……」と言ってみた。ありそうなのは、

あ	アキ
か
さ	サキ
た	タキ
な
は			フキ		ホキ
ま	マキ	ミキ
や			ユキ
ら
わ	ワキ

意外に少ない。タキやフキは、「○キ」というよりは別物のように思える。ホキというのは、「ホキ徳田」という名を思い出すからだが、これは日本語名前ではないように思える。ワキは大和ワキしか知らない。

２拍の「○コ」はどうだろう。

あ
か	カコ	キコ
さ
た		チコ
な
は	ハコ
ま	マコ	ミコ
や
ら		リコ
わ	ワコ

チコ、ミコ、ワコは、ちょっとあだ名的。ハコは芸名有り。リコは実例あり。アコは？

「○カ」

あ
か
さ
た	タカ	チカ
な
は
ま		ミカ
や			ユカ
ら		リカ
わ	ワカ

モカ、居るかなぁ。

「○ク」

あまりなさそうだが、

あ		イク
か
さ
た			トク
な
は
ま		ミク
や
ら		リク
わ

ここは、「○＋ク」というよりも字音出自のものか。ミクは、新しげな名前だが、どこから出てきたのか。「未来」という熟字から？　だとすると何故「みき」と読ませない？
リクは、「大石りく」のように、女名前であると思っていたのだが、男子の名前にもいるようだ。

「○ケ」は、ないだろう、ミケは猫だし。

「○サ」

あ	アサ
か
さ
た		チサ
な
は		ヒサ	フサ
ま	マサ	ミサ
や
ら		リサ
わ

ヨサは男の略称。
「○シ」「○ス」「○セ」「○ソ」は、なさそう(「リセ」とか、ある？)。

「○チ」

あ
か
さ	サチ
た
な
は
ま	マチ	ミチ
や
ら
わ

「○ツ」

あ				エツ
か
さ
た	タツ
な	ナツ
は	ハツ
ま	マツ	ミツ
や
ら		リツ	ルツ？
わ

これは、「○＋ツ」というよりも、意味を持つことばのようだ。

「○タ」「○テ」「○ト」は作表せず（「みと」という人はいるが）。

「○ヨ」

あ		イヨ
か	カヨ	キヨ
さ	サヨ
た		チヨ	ツヨ?		トヨ
な
は
ま	マヨ	ミヨ
や
ら		リヨ
わ

「トヨ」はちょっと違うか。

「○ヤ」

あ	アヤ
か
さ	サヤ
た		チヤ?	ツヤ
な
は
ま	マヤ	ミヤ
や
ら		リヤ?
わ

「チヤ」「リヤ」は、下に子がつけばありそうだが。

「○ユ」は、熟さない感じ。「アユ」は「鮎」の、「マユ」は「繭」の、「ツユ」は「露」から離れていないようだ。

「○ミ」

あ	アミ		ウミ?	エミ
か		キミ	クミ
さ
た	タミ				トミ
な	ナミ
は	ハミ		フミ		ホミ?
ま	マミ	ミミ
や			ユミ
ら		リミ?	ルミ
わ

「トミ」はちょっと違う感じのようにも思うが。

「○マ」には、「エマ」「シマ」「ユマ」があるように思う。リマはないよね、ペルーの縁で付けない限り。

「○ム」「○メ」「○モ」は、ちょっと外れた名前にはありそうだが。

「○リ」

あ				エリ
か
さ
た
な
は
ま	マリ
や			ユリ
ら			ルリ
わ

意外に少ない。「○ラ」、トラは違うだろうし、エラ・サラは舶来だ。「○ル」「○レ」「○ロ」……、「リル」「エル」などと命名した人はあるかも知れないが、「○＋ル」というものではなかろう。

「○ナ」

あ
か	カナ
さ	サナ?	シナ?
た
な	ナナ				ノナ
は	ハナ	ヒナ
ま	マナ	ミナ			モナ
や			ユナ
ら		リナ	ルナ	レナ
わ

「○ノ」は、リノとか。「ニヌネ」はないよね。モネ・マネは別にして。もちろんカネ・タネ・ヨネ・ミネも外す。

「○エ」

あ
か	カエ	キエ
さ	サエ		(スエ)
た	タエ	チエ
な	ナエ				ノエ
は
ま		ミエ			モエ
や			ユエ?
ら		リエ
わ	ワエ?

「○イ」

あ	アイ
か				ケイ
さ
た
な
は
ま	マイ			メイ
や			ユイ
ら			ルイ	レイ
わ

「○オ」

あ
か
さ
た
な	ナオ
は
ま	マオ	ミオ
や
ら		リオ
わ

「○ア」は？　ミア？（カジシンの作品にあり。）

「○ワ」

あ
か		キワ
さ	サワ
た		チワ？			トワ
な
は
ま		ミワ
や
ら		リワ?
わ

「○ホ」

あ
か	カホ	キホ
さ	サホ	シホ
た		チホ
な	ナホ
は
ま	マホ	ミホ
や
ら		リホ
わ

「アホ」はいないだろう。

ひとまず

オ列（エ列が少ないのは当然として）、ナ行は少ないようだが、面倒だから、これ以上考えない。濁音や拗音は表に入れていないが、あるのは「ジュリ」ぐらいだろうか。ジュナとかもある？　いずれにせよ「ジュ」だけだろう。

あと、ないだろう、と言っても、トンデモ命名と言われるようなものの中にはあるだろう。サイトどこだっけ、見失ってしまった。

上から見ると、「ミ○」は矢張り多く、上の表で入ってないのは、「ミイ」「ミリ」ぐらい。「ミク」が出来たのもそうしたことが背景にあるのだろう。「ミマ」とか出来るか。「ミム」は、もう居そう。「ナ」のところで、「ミネ」も外したけれど、「タネ・ヨネ・カネ」と違って、これはさほど古びていない。

そう言えば、

日本の女性名―歴史的展望

は、アマゾンで「角田文衛」で検索しても出てこなかった。「角田文衞」でないと見つからない。

日本の女性名―歴史的展望 (上) (教育社歴史新書―日本史)

などは出るのに。