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古今各国「漢字音」対照辞典

古今各国「漢字音」対照辞典

などという本のDMが送ってきたのだが、こういう本は誰が使うのでしょう。
カールグレンが歎きそう。

西洋式の比較言語学が日本語に適応しないのならば、何を以て言語の比較を志すかと云えば、北東アジアには何千・何万という多数の漢字音が存在している。その無数の漢字音を活用しないということはない。漢字音の対比によって北東アジアの言語比較の第一歩にするべきと考える。

「本書「解説」より抜粋」だそうです。ね、カールグレン、泣きそうでしょう? 約百年前ですよ、字音研究に比較言語学的手法をカールグレンが持ち込んだのは*


「画期的書籍」?


それに、この本の「漢字音対照表」、「四声」は示してあるけれど、韻目等は示さない。で、誰が使うのか、です。

藤堂大漢和のローマ字表記、韻目等が示してあったのに、一人歩きした感がある*1。韻目なしでは、余計にそうなりそうだ。


類書がない?

『漢字古今音表』は、あまり好きでない本だったけれど、この本よりはずっとよい。

*1:あのローマ字表記を元に日本語の起源などを言う人が居た。