三条京阪
店内に入ると、「単行本500円」の貼り紙が見える。ぬか喜びになってはいけないので、まず店員さんに「単行本」の定義を尋ねる。「このあたりとこのあたりの本です」と曖昧な答えしかもらえなかったので、大型本などはダメなのですね、と問うと、そのような感じで答えが返ってくる。
そんなことを問うたのは、店頭に、角川古語大辞典の第二巻が置いてあったから。あれが500円なら、買うのだが。
落ち着いてみてゆくと、この店では、値段シールに「タンコウボン」などと書いてある。これが、値引きの対象なのだろう、と納得する。
新古典大系が三冊ばかり並んでいたが、その中から、持っていない確率がかなり高い『竹田出雲・並木宗輔 浄瑠璃集』を手に取る。
105円文庫から、パラフィン時代の岩波文庫のパラフィンなしのものを三冊ほど。
昨日、四天王寺で、無視した新書・文庫のことが思い出されるが、今日は、アルコールも入っていることで、のんびりと本を選べるからよいのだ、と自分に言い聞かせながら、本を見ていった。
(河原町今出川のバス停前の新古書店では、何も買わなかった。)
既読感ではないが……
電車の中で
- 作者: 角田一郎,内山美樹子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1991/03/20
- メディア: 単行本
- 購入: 1人
- この商品を含むブログ (1件) を見る
腹を切った二人の人物が、苦痛をこらえて長い時間歩いたり笑ったりする芝居に、生理的不快感を覚える人も少なくないだろう。だが、それは人間の俳優が演ずる歌舞伎の場合である。書き卸しの浄瑠璃では、肉体を持たぬ人形の演技で、歌舞伎におけるごとく、観客の日常的感覚を刺激して、生理的嫌悪感を喚びおこすことなく、……
という解説の文章が眼に入り*1、先日どこかで読んだ文章を思い出す。「アニメと実写」について論じたものではなく、「漫画とアニメ」について書いたものだった。
漫画では、左門豊作と花形満の背景であった鯨と虎が、アニメでは左門が鯨となり花形が虎となる滑稽さ、とかいうような内容だったようなものだ。
縦書きで読んだような気がするので、ネット上のものではように思うのだが、そんなことが書いてある本を最近開いたっけ、とも思う。
*1:内山美樹子「作者と作品」