書写

http://bokyakusanjin.seesaa.net/article/109674174.html
こちらで取り上げられていた論文を見ました。

引かれていた論文の中に、
ネット上で公開されているのもありました。
http://b.hatena.ne.jp/kuzan/20081120#bookmark-10907825


私は、
http://d.hatena.ne.jp/kuzan/20060113/1137153676
に書いたようなことに関心を持っているのですが、今月初めの日本語学会で行われた研究発表の一つを思い出しました。谷川淳子氏の「金春禅竹自筆『五音三曲集』における平仮名の用字法について」というものですが、「稀少字母がいずれも古歌や謡曲の引用箇所に集中している」ということを指摘したものでした。


この発表を聞いて思いましたのが、字母に戻ったものだけで考えるのではなく、引用箇所とそうでない部分とが、異なる書体で(いわば「字姿」で)、書かれていないかを考えるべきだろうということです。


江戸時代の版本などでも、行書平仮名交じりの中に漢文を引用する際、楷書(ないし明朝体)で書いてある場合があります。現在でも、地の文は明朝体であるのに、古歌などを引用する際に、フォントを換えて引用することがあります。そうしたことを考慮に入れる必要があるだろうと思ったのです。


今後、そうした方面の研究が進められていくことを願っていますが、この岩坪充雄氏の研究も楽しみにしたいと思います。