以上でも以下でも

http://anond.hatelabo.jp/20090330183554

の関連で、「(それ)以上でも(なく)、(それ)以下でもない」の言い回しが、いつ頃からあるのかが話題になっているようだ。


シェイクスピアリア王坪内逍遙の訳は、

わたくしは義務相当にあなたを愛しまする、それより多くもなく、少くもなく。

だが、斎藤勇*1が、

親子の絆(きずな)に従い、それ以上でも以下にでもなく。

とするなど、ほとんど*2、「以上・以下」で訳している。


原文は

no more nor less

参照したのは、

HY>シェイクスピア大全 (<CDーROM>(HY版))

HY>シェイクスピア大全 ((HY版))

"more than or equal to" が「以上」という言い方があるのに、"more than" には、「より多い」といようなカッチリしない言い方しかないのはなぜだろうと、前から不思議だ*3

*1:1964年版。1948年の岩波文庫版もあるが未見

*2:小田島雄志「それ以上でも以下でもありません」・松岡和子「それ以上でも以下でもありません」・大山俊一「それ以上でもなく、以下でもございません」・木下順二「それ以上でも、それ以下でも。」。福田恆存だけ、「それだけの事にございます」

*3:以下と未満のようではないところ。