中国

10月14日(星期三)

 資料室で『日本人とユダヤ人』『菊と刀』を借りる。

10月23日(星期五)

 ラジオ日本では6時半から天皇歓迎の晩餐会の同時中継をやっている。天皇の「お言葉」の途中で7時になり、英語放送の時間だがどうするのだろう、と思ったが、そのまま続けて放送した。テレビの方では、7時からのニュースで、かなり長めに天皇のことを報じていた。中国のテレビとしては、破格の扱いだと思うが、日本のテレビではもっと大騒ぎであろう。

10月24日(星期六)

 散歩する。文体用品店で、隣の本屋のお兄さんもやってきて、「天皇が来たな」と言われる。「明日西安に来るぞ」というので、「何時に来るか知っているか」と聞くと「明日12時に大雁塔に来るぞ」と言われる。ピンポンのラケットと玉を買う。5.4元と4角。
 午後から学校のバスで3年生と鼓楼・清真寺へ行く。
 まず鼓楼へ行く。2元5角。鬼瓦とでも言うのであろうか、それに気付く。小雁塔が見えた。柳州少数民族服装展というのもやっている。柳州は広西自治区にある。
 土産物やの並びを潜りぬけてから、清真寺へ。董其昌・米芾の字があるというのだが、至る所にそれが有って、どれが古い物であるのか分らない。
 出た後、西の方に向う、回族の住んでいる所であるが、どうしたわけか飼い鳥の姿がとても目につく。
 夕食は回族料理を食べようと言うことになって、西大街をさらに西に向って歩いて行く。食べ物屋がずらりと立ち並んでいる所が有り、その中の1軒で羊肉泡モを食べる。饅頭を砕いた物を羊肉のスープに浸けた物であろうか。他に春雨のようなものも入っている。まあパン粥のようなものである。見た時にはきっとこれは不味いのではあるまいか、と思った。名物にうまい物なし、とも言うしなあ、と。しかし、食べてみるとそうでもなかった。
 お好み焼のように小麦粉をヘットで薄くあげながら、その中にひき肉を挟んで伸ばし、更に焼いて丸めて食べる、というものを作っていたので買ってみる。すこし山椒がきつくて舌がひりひりする。
 帰りは鐘楼まで歩いて、そこから公共汽車で帰る。

10月26日(星期一)

 天皇は、昼のラジオ日本によると朝9時半に大雁塔に登ったそうである。

10月31日(星期六)

 今月読了したのは上に書いた物の他に、井上靖『花の有る岩場』。司馬遼太郎の『菜の花の沖』全6冊。早乙女貢『死神伝奇』。岩波新書の『象徴天皇