京都にて

赤尾照文堂が雰囲気が変わっていてびっくり。

大学堂・京阪・キクオは変わらぬたたずまい。
京阪では、100円本を5点。遠藤嘉基・塚原鉄雄『解釈文法必携』(昭和35.3.20 初版 昭和38.5.10 22刷 中央図書 新書判)は、初めて見た。高校生用だと思うが、カバー付で全く汚れていない。勉強しなかった高校生のものなのか。あるいは誰の手にも渡らぬままにす廃棄されたものなのか。「執筆は(中略)塚原鉄雄君を煩わし、秋本守英君の援助を得た」とのこと。
野崎信夫『誰にも出来る趣味の小園芸』(昭和5.10.3 博文館 新書判)はなんとなく。
原田茂『高校生の日記』(昭和46.6.25 中公新書)。「青春の心理的分析」という副題。この本を対象にそのまま〈言語的分析〉をするわけにはいかないけれど。
むのたけじ『詞集 たいまつ』(三省堂新書1)。目次を見ると、「コトバの成立について」「コトバの伝播について」などが見えたので。

尚学堂は、改装してからは初めて。200円のを7冊。
後藤静香*1『泉の花』三巻四号(大正15.4.1 希望社)。新書より更に縦長。普通郵便で送れるようにだろう。「泉の花は最も進歩した仮名遣い法で記します」とあり、「通《とう》り」「とゆう」「続《つず》けよ」「貰《もろ》う」*2などが見える。

『会員名簿』(社団法人霞関会 昭和17.12.末日)。外務省高等官などの親睦会。個人情報保護法のことも考えるが購入。当然だが、吉田茂の名などあり。

500円の和本を4冊。
『増補歌文要語 上巻』「享和三とせ霜ふり月 みなもとの広養父」(序)、「享和元年六月 難波津の旅のやどりにして 甲斐国 早川広海しるす」(附言) 。小本
『詩礎諺解』村瀬海輔 輯解 岡本憲常 参閲 文化二乙丑仲夏 小本
『改正史略字引』陶山直良 明治9.7.3御届 12日出版 字引本に500円も出すのは久しぶりだと思うが、『改正史略』の字引はもっていなかったように思うので購入。
近デジで『改正史略』をみると*3

此書幼童をして諳誦せしめむことを要す 故に簡易を旨とし 事実文辞すべて省略に従ふ
とあった。漢文訓読調で、素読風なわけだ。冒頭は「第一代神武天皇と申す 天照大神五世の孫にして」などと、基督教の聖書のようでもある。振り仮名は無く、その点でも字引類が役に立つわけだ。
今、山田忠雄国立国会図書館所蔵明治初期辞書集成目録 : 字類・字解・字引類』*4を見ようと思ったのだが、二冊しか見当たらない。



尚学堂のあと、三月書房に行こうと思うが見当たらず、移転したのかと思ったが、シャッターが降りているのだった。火曜定休とのこと。


三条ブコフで、学術文庫の『現代語訳宇津保物語』の(三)を、まず、見つける、これは210円だったと思うが、これは持っている気がした。ともかく一冊は持っているのだ。100円コーナーに(一)(二)(四)があり、それだけを買い(三)は買おうとも思わなかった。自分が持っているのが(二)か(四)であるかもしれない、とは何故か思わなかったのだ。
帰ってみると持っていたのは(二)。なんで(三)を買わなかったのだろうと、また後悔。