スポーツ用語

山本忠興監修『詳解スポーツ用語辞典』実業之日本社昭和6.10.15 A6変形(高さはA6相当、横は狭い。)p641

野球、ゴルフ、拳闘、ラグビー、剣道、弓道、相撲、冬、ダンス、柔道、漕、庭球、馬、釣、撞球、猟、水泳、体操、ホッケー、登山、籠球、陸上、排球、軍、ア式蹴球……などなど、さまざまスポーツの辞典。「麻雀」や「トランプ」などもある。でも、カルタや花札は見当たらない。野球用語は「野」、ゴルフ用語は「ゴ」などと略されるのだが、卓球用語はなぜか「ハ」と略される。

「遊」もあって、足ごき・足相撲・インドアベースボール・エッグエンドスプーンレース・鬼定め・親捕り子捕り・落雷ボール。
「鬼定め」の文句の一つ、「おたなの鼠が米くってチュー/\/\よ」

陸上競技女子日本記録」を見ると、五十米、百米、二百米、四百米、八百米、八十米障碍、走巾跳、走高跳三段跳砲丸投円盤投、槍投、三種競技と、個人競技は全て人見絹枝だ。四百米リレーにも人見の名が見え、唯一二百米リレーにだけ名前が入っていない。このうち、百米、二百米、四百米、三段跳は世界記録でもあるようだ。

キング文庫『スポーツ常識』昭和9.4.17は、本の形はほぼ同じで(製本の所為でやや小振りに見える)、p196。値段は僅かに二十銭(上記は壱圓五十銭)。
陸上競技・水上競技・野球・庭球・卓球(ピンポン)・ラグビー・蹴球(ア式フットボール)・排球(ヴァレーボール)・籠球(バスケットボール)・ホッケー・ゴルフ・スキー・スケート・拳闘(ボクシング)・漕艇(ボートレース)を取り上げ、「競技記録」を付す。上記、人見絹枝の記録はある程度塗り替えられているが、走り幅跳びの世界記録保持者になっている。上記では六米一六のメゼリンコヴァ(チェ)なのに、人見絹枝の世界記録は五米九八、どういうことだろう。上記の時点で、人見の記録は六米〇七だったようだから、ルール改定でもあったか。
男子では、南部忠平が、走り幅跳び三段跳びで世界記録を持っている。七米九八と十五米七二。
男子百米世界記録は10.3(日本記録は吉岡隆徳の10.4)。

なお、キング文庫の野球の所には「オーバーラン」が載っていますが、『スポーツ用語辞典』には載っていません。荒川惣兵衛『角川外来語辞典』には1926年の用例が載っていますが(久保田・高久『野球の用語』)。