これぞ和漢混淆表記

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どうせ瓦解《ぐゎかい:いちどにこわれる》は
 初手から
   承知
 真率《しんそつ:つくりかざらぬ》
  ばなしに
   しておくれ

明治の『漢語都々逸』*1です。行書と平仮名の中に、明朝体的な楷書の漢字が入っています。「初手」「承知」が行書で書かれるのに対し、「瓦解」「真率」は楷書で書かれています。「承知」も漢語なのですが、これは丸められたもの、それに対して「瓦解・真率」は、真性漢語なのです。
今で言えば、片仮名書きの外来語とアルファベット書きの外来語といった違いでしょう。

*1:拙架藏の山々亭有人『未味字解/漢語都々逸』三編。他に、菊池氏のサイトにあるものでも、同様の表記を見ることが出来る。