床からも

探して探しても出てこないのが文献のコピー。見つからないときには図書館に行ってちょっとコピーを取り直す、ということができるものならばよいのだが、探しているのは遠い場所にある本のコピーだ。薄いものなので探すのも大変。

あるいは、スキャンして取り込んでいるかも知れないと、心当たりのファイル名で、いくつかのHDを検索してみるが見あたらない。無意味な数字の羅列のファイル名になっているものであれば、どうしようもない。スキャン時に無気力になり、ソフトの付与する数字列ファイル名を受け容れていたこともあったのを悔やむ。

これは、諦めるか。


コピーを積んである床の近くから、浅羽通明『大学で何を学ぶか』ISBN:4877287051眺める。解説は高島俊男氏。面白い本だが、学生には勧めにくい。「大学で何を学ぶか」という題名に惹かれた学生が読む分にはよいのだが、そうでない人にこれを推薦するのはまずいだろう。たとえば、「新入生に読んで欲しい本」などには書けない。


それこそ、以前触れた「あるある読書」をしてしまい、大学の講義なんて意味ないんだ、とお墨付きを得た思いになってしまいそうだ。


大学の教員側が読むと、なるほどそうか、と思うことがある(というのは、解説の高島氏が書いているが)。


しかし、大学の講義の聴き方が教えられていない、というが、それを教えるのは、すごく難しそうだ。


知識は絶対的なものだという意識から解放しようとすると、一気に「何でもあり」に突っ走ってしまう人が出てしまう。諸論を並列すること自体に拒否反応を示す人もいるが、どのように解放してあげればよいものか。
習うより慣れろ、というのは、怠慢なのでしょうね。慣れられない人、慣れる前に拒否反応を示す人に、伝えねばならないのですね。


そういえばこの本のp202に、

代々木ゼミナールの名物講師、青木裕司氏は、学生時代に数か月かけて、マルクスの『資本論』全巻を読破した想い出を、得意の雑談ネタとしている。国文科の友人が『源氏物語』を通読するのと競争したのだという。
という箇所が出てきた。
「実況中継」と題する本が沢山出ているが、たしか、
青木世界史B講義の実況中継〈文化史〉―大学入試

青木世界史B講義の実況中継〈文化史〉―大学入試

には少なくとも出ていた話だと思う。その友人の名前も書いてあったはずです。


青木裕司氏、キーワード化されてて、出身大学まで書いてありますね。「友人」は私ではありません。誤解無きよう。