異文

寂光院へ。平家物語の写本の冒頭部分が展示してあるが、「風の前の〓《トモシヒ》に同じ」となっている。「風の前の塵に同じ」に、「風前の燈」が混入したような本文だ。〓にあたる文字は、「塵」の字が崩れて、「草冠に埜〈田予+土〉」のような漢字だったがはっきりせず。
五體字類(昭和5年版)を見ると
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/5tai/haga172.html
「塵」のままでよいようだ。しかし、振り仮名を付けた人も「塵」とは読めなかったのだろう。