漫画的?表現

以下のようなのは、「漫画的」というか、漫画のようなものを媒介にして出来た表現*1だと思っていたのだが。

与吉のあたまは、数多《あまた》の疑問符が乱れ飛んで、飛白《かすり》のようだ。
林不忘丹下左膳 02 こけ猿の巻」

http://www.aozora.gr.jp/cards/000290/files/24377_20635.html

頭の中を羽虫のように飛びめぐっていた大小無数の「?《インタロゲーションマーク》」が一時に消えうせて、
夢野久作ドグラマグラ

http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2093_28841.html

私の頭の中心にコビリ付いていた千万無数の……?《インタロゲーションマーク》……が一時にパッと光って消え失せたような気がした。
夢野久作ドグラマグラ

http://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2093_28841.html

アタマはそれ等の疑問符が、激しく入り乱れるので、ぼーっと上気してしまった……。
蘭郁二郎「白日鬼」(『シュピオ傑作選』光文社文庫

http://csx.jp/~amizako/ranhakujitsuki.txt

手は一つも挙がらなかつた……どの眼の中にも、疑問符が燃え上つているようだつた。
ミルボー『小間使の日記』岡野馨・永井順訳(新潮文庫の絶版100冊CD-ROM)*2


結構、古くからあるものだ。


漫画的とは感じない「疑問符を付ける」などとの線引きはできるのか。

*1:前田富祺「日本語の未来を占う」(『国文学』1993.11「日本語の現在」)に言う「マンガの描写を文にしたもの」。「"目が点になる"小考」『言語学林』前田富祺「二十一世紀の日本語に展望はあるか」(『日本語学』2001.6「日本語の死」)も参照

*2:翻訳だから原文も気になるところ。