幽霊語「たちがらし」

http://d.hatena.ne.jp/k980504/20080411#1207922132
広辞苑以前を知りたいと思いました。



まず、雅言集覧*1にはない。
http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=56000205&VOL_NUM=00002&KOMA=13&ITYPE=0


http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/dainihonkokugojiten/
大日本国語辞典にあるから、このあたりからか、と思ったら、『ことばの泉』に既にありました*2
(言泉*にもある。大言海にはない。)


契沖が拵えたこの幽霊は、辞書の世界にしか居なかったのだろうか?
偽万葉語の中には、辞書だけでなく、使われたものもある。

和訓栞後編にあり*、和訓栞(前中編合冊)の増補語林の部*にもあった。

たちがらし 樹木にいふ 蜻蛉日記に見えたり 字書に立死曰椔といへり

倭訓栞後編

補の補

今西祐一郎「軒端の鴬 『蜻蛉日記』の「のたちからし」について」『語文研究』88
というのがありましたが、すっかり忘れていました。
http://hdl.handle.net/2324/9373
ここで読めます。

原本ニ木ノ字ヲオトセシ。今、契本ヲ以オギナフ。立死ヲ曰v〓ト注セリ。〓ハ椔ノ正字ニテ音ハ支ナリ。

かげろふの日記解環

http://herakles.lib.kyushu-u.ac.jp/kagerou/kaikan/text/10/012.html

和訓栞後編も「かげろふの日記解環」を見たのでしょう。あるいは契沖本の系統のものを見たのかもしれませんが。

*1:古語辞典等の用例の大源流となっている書。

*2:近代デジタルライブラリー