研究発表会

ロシア版『文字のしるべ』の旧蔵者であるという山口茂一という人が引っ掛かった。
新村出著作集にその名の見えることは、会場でも発言しておいたが、第8巻所収の「山ロ茂一君訳『ルードネフ蒙古文典』序」に、

若夫れ露国にありては、学者の満蒙研究に於ける、我国に比して一二百年の長あり。京都帝国大学講師山口茂一君彼土に人と為り、夙に露人が蒙古研究の績を知る。乃ち我が東洋学界の闕を充たさんと欲し、曩に盛名あるルードネフ教授の『蒙古文典』を訳述し、茲に羽田助教授の補筆と校正とを得て世に頒布せんとす。

とある*1。大正八年のこと。



第3巻には、「一九一三(大正二年) 山口茂一、露文小冊子『日本詩歌考』」というものも見える。


法政の人物文献目録を引くと、

  • 京都帝国大学文学部講師山口茂一氏訃》 芸文 一一ノ五 大9
  • 《山口茂一先生と自分》高倉輝 芸文 一一ノ六 大9

が載っていた。おお、タカクラ・テル。ロシア繋がり? 

蒙古文典刊行の翌年、京都帝大講師のまゝ亡くなられたようで、神戸高商へ旧蔵書が入ったのはなぜだろう。全国図書館案内の神戸大学の所には記述なし。
神戸大学社会学系図書館のページにも見当たらず。

記録

遅CデBBCC

ちょっと似てます↓
http://snob.s1.xrea.com/l/2008051720080518.html

*1:山口訳の蒙古文典は、植村清二『歴史と文芸の間』中公文庫、白鳥庫吉博士の思い出の中にも出て来る