ひとりびとりのひとびと
国語辞典類で、「ひとりびとり」が首見出しのものが多いようだが、それはさておき。
漱石の「坊っちゃん」は、ルビ部分である。自筆原稿にはルビはない。
上記検索から漏れるものとして、
http://mirror.aozora.gr.jp/cards/000129/files/45225_22340.html
があるのに気づいた。これは「ひとりびとりに」で検索しないとヒットしない。
青空文庫(ひとりびとりに)
私も「ひとりひとり」が自分の用語だが、「ひとりびとり」は亀井孝氏の文章でしばしば目にしてきた記憶がある。「ひとつびとつ」も同様。
『日本語の歴史2文字とのめぐりあい』の第六章「漢字から仮名へ」の、「一 万葉仮名が登場するまでの道筋」の「漢字の規範はなにによるか」に「ひとりびとり」が見える。
『亀井孝論文集6言語 諸言語 倭族語』には「ひとつびとつ」がいくつか見える。pp.62,62,226,227,238,324,326
ああ、書くの面倒になったけど、捨てるのも何なので公開。
「人々」というからには、使用者を何人か書き出すつもりだったが。
「一人びとり」という表記については、『いんてる』98に、「畳語の表記」に記載あり。
*1:「合成語にては下なる語の首音を濁ることあり。之を連濁音といふ。連濁音はすべて二の言語要素の結合が緊密なることを外形にあらはす用をなすものにして、(中略)その合成語に於ける例次の如し」としてあげられる。