受験風景

ここをすべれば私立へ行かねばならない*1というので、付添い―特に母親の姿が目立って多く、子らは教室でしのぎを削り、彼女らは運動場で舌戦に憂き身をやつす。問題発表後まもなく、予備校から模範解答が配られるや、ここを先途と、わが子のためにその一枚を奪い合い、バス、電車へ乗る際の強心臓振り!

という文章があります。
出典は『受験と学生』という雑誌です。25巻3号。
高校受験ではありますが、旧制高校なのです。時は昭和16年5月発行。
「受験風景紙芝居」の「母さん部隊出動―大阪高校―」という記事でした。(表記は改めました。)


この雑誌を見る限り、大阪高校に限らず、母親の同伴は多かったように見え、他にも記事があります。


「九仞の功 三高」

受験票でも忘れたか、母さんのあわて方……息子は性根をすゑたか、ニッコリと笑ひ、「来年またくるよ……」


ほかに
「水筒と母性愛 京都高等工藝」


「受験風景紙芝居」以外では、
「小さい付添ひの力強い応援 三高」(妹らしき少女の写真)
「試験場で拾った話」(W高商、4話の内2話が母親絡み)

*1:「官立高專の試験期日統一で第二志望が私学へ殺到」(同誌巻頭「受験春秋」)