本を破るなんて

昨日のように、本の破り方をかいてもあまり参考にする人は居ないだろう、とは思う。本を破ることに抵抗がある人は多いだろう。私もそうだった。

ADFのスキャナを買った頭初は、コピーしてあるものをスキャンしたり、わざわざコピーしたりしてからスキャンしていた。でも、コピーすると劣化するのが嫌だった*1


直接本を裁断して、と思うようになる。


最初はブックオフで買った百均本。すでに持っているものをもう一冊購入した。人目を気にしつつ。恐る恐る裁断機にかけた。職場の裁断機は本を壊すためでなく、紙束から製本する際に、整えるために使うのが普通のようだが、私は本をばらすために使う。


そのころ使っていたADFスキャナは片面しか読んでくれないものだったので、面倒だった。奇数ページを読み込んだ後、また紙を整えて、順番が乱れていないかを確認して*2、裏から読んで行く。
出来たファイルを、ナンバリングのソフトを使ってリネームしてから、ページ順になるようにする。(表は昇順で、裏は降順で。ダブルフィードがあったりしたときには、修正が必要で面倒きわまりない)。元からあるファイル名と、作成日時の両方を使って並べ替えたりしていたものだ*3

フラットのスキャナを使っていた頃は、そのあまりの遅さに耐えかねていたから*4、それに比べると、こうした作業は何でもなかった。

こうして出来たファイルをOCRにかける。この作業をしたときに、

本はどのように消えてゆくのか

本はどのように消えてゆくのか

にあった、本が溶け出す、という感覚を味わった。津野氏と違って、ただスキャンしてOCRしただけでは感じなかったのだが、本をばらしてADFにかけてOCRにかける、ということで、感じることが出来たのだ。


あとは坂道を転がるように。

*1:「交合は校合」という単性生殖の話と関わる

*2:綺麗に排出されていれば順番が狂ったりはしないのだが、紙質によっては排出時に下にある紙と軋轢を起こして暴れ回り、広がってしまうことがあるのだ。

*3:ソフトの付けるファイル名が、001,002……ではなく、1,2……だったため。

*4:本をスキャンする場合には押さえてないといけないから肩が凝る。