黄色い岩波新書

このタグでは、普通、本探しのツール類について書くのだけれども、今日は、本探しそのもののこと。

退屈男さんが、岩波新書の黄色の『近代日本の民間学』を探していらっしゃる

私が、ここのところ探している岩波新書は、やはり黄色の関山和夫『説教の歴史』。岩波新書は、なんとなく、めぼしいところは買ってしまった気になっているところがある(全然そうではないのに)。
いざ、見たいところがあっても手元にないことに気づき、そこから探し始める。なんとなくあの店で見たような、と思っても、そこに行ってみるとない、ということがよくある。


『近代日本の民間学』は、持ってたはずなんだけれど見当たらない。『民間学事典』は欲しいのですよ、特に人名編。なお、「民間学」ということばについては、
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あたり。
鴎外も使っているとありますが、『舞姫』にもあります。

我学問は荒みぬ。されど余は別に一種の見識を長じき。そをいかにといふに、凡そ民間学の流布したることは、欧洲諸国の間にて独逸に若くはなからん。幾百種の新聞雑誌に散見する議論には頗る高尚なるも多きを、余は通信員となりし日より、曾て大学に繁く通ひし折、養ひ得たる一隻の眼孔もて、読みては又読み、写しては又写す程に、今まで一筋の道をのみ走りし知識は、自ら綜括的になりて、同郷の留学生などの大かたは、夢にも知らぬ境地に到りぬ。彼等の仲間には独逸新聞の社説をだに善くはえ読まぬがあるに。