「影を慕いて」

最近は皆さん、これをコンピューターで、モニターに写してそこで見よう、それで見たつもりになるということが実に浅はかです(笑)。それは影です。影をいくら見ても…影を慕いてという歌はありましたけれども、せいぜい慕う程度にしておいたほうがよろしい(笑)。影でもって全てをわかったような気になるとは、こんな馬鹿なことはない。

中野三敏先生「《講演》江戸文化再考 そして近代の成熟」(『成城国文学』24 2008.3)

「うわづら文庫」の新しい謳い文句として、「影を慕いて」というのは、いいですね。

「うわづら文庫」は、青空文庫など電子テキスト側から見ると「うわっつら」ですが、「物としての本」から見ると「うわっつら」ですらない「影」です。「うわづら文庫」は、ネット上に、書物を影なりとも存在させたい、というものです。

とでも、どこかに書きますか。