『筆順指導の手引』以前の筆順

『運筆順序と部首其他の研究』昭和5.12.10発行 児童教育社 四六判 64頁
東京府北豐島郡初等教育研究會編纂

 漢字の運筆には自らその順序がある。けれども文字により、其法區々で一定し難いものがある、隨って小學校書方教授の實際に當って、何れに據るべきかに迷ひ、確乎たる信念を以て教授することが出來ず、曖昧のうちに大切な課程を過ごすことが決して珍しくない、所謂師重からざれば學堅からずで、兒童の其順序なるや頗るあやしきものであって、書寫能力發達上之れが進歩を阻害する點が少くない。
 こゝに鑑み、現今の國語書方手本及讀本中難解の文字につき、慣例を稽へ、諸家の説を參酌して其順序を定め、實地當事者各位の参考に資せんとした、幸ひに微意を諒せられなば幸甚である。
 筆順を定むるには、大凡左の三箇條に標準を採ることにした。
 一 漢字は文字構成の順序により左上方より右下位に終る。
    例へばの字において十十世木の如し。
 二 書寫上よりは草書の筆順に依るを便とす。
    例へばの字の即ち一|二衣
 三 書寫上文字の構成を容易ならしむるための筆順として左の例によるを便とす。
    例へばの字を|ノ|*1の如し。

運筆の順序 竹田左膳

見当たらないので近代デジタルライブラリー
近代デジタルライブラリー

運筆順序

これは近代デジタルライブラリーでしか見たことがない。

*1:中左右の順。