職權による戸籍の誤字俗字訂正についての話
Tue, Sep 08
- 13:59 交換を通して、某放送局から電話がかかってきたのだが、ケータイのペコペコ音声で、しかも途切れ途切れ、イライラしてきて、掛け直してくれと言おうとしたがその前に切れた。しばらくして交換の人が同じ人からの電話というので、固定電話から掛け直してほしいと伝えてもらうように言った。
- 14:05 まったく興味のない話題でもなかったが、先方の関心とこちらの興味が一致する保証もないし、途切れ途切れのペコペコ音声は本当に嫌いだし。しかし、ケータイ電話って、結構大きなデータを遣り取りするくせに、何であんなに音質が悪いんだ。PHSを見倣え。
- 15:32 @kuzan その後、電話は鳴らない。席を外してた時もあるが。 [in reply to kuzan]
- 16:53 @kuzan 電話かかってきた。調べないとものが言えない話なのでなぁ。 [in reply to kuzan]
- 17:01 法務省による戸籍の異体字整理の話だが、これまで通りの字体を戸籍謄本請求書などに書いて、ちゃんと戸籍を出してくれるのなら、戸籍の異体字を整理したっていいんじゃないの? ってのが私の今の考え。新戸籍通りの字体を書かないと受理しない、なんていうようなら、これは大問題。
- 17:07 「戸籍にどう載せるか」ではなく、戸籍に載せた字体をどう扱うのか、についての議論があるのか。戸籍に載せたとおりの字体でないと受理しない、というのは、かつてあったはずだが、異体字を整理したからには、それはやめるべきだろうと思うのだが、どうなのか。市町村役場の戸籍係の裁量に任されてる?
- 17:25 「誤字」の訂正をした、ということを戸籍に書かないことになっているのは残念。
- 17:52 @kuzan 法務省通達の「誤字」「俗字」の認定が、あれで全部よいのか、というのは別問題。 [in reply to kuzan]
- 17:56 @kuzan 例として、戸籍謄本の請求書を書いたけど、これだけの話ではなく、いろんな場面での話。銀行口座などを作る場合、本人の側は自分の思う字体を書き、銀行側は整理する(もちろん、「お客樣のお望みの字体に」という売りの銀行があってもよい)。(やりとりは片仮名だろうから。) [in reply to kuzan]
- 18:00 でも、銀行は「楷書で」と求める場合、印刷字体通りに、と考えているのだろう。異体字のことは頭にあるのか。(結婚式場が異体字に神経質なのは知っている)
Wed, Sep 09
- 09:42 『戸籍実務六法』と『戸籍六法』があるんだった。加除出版とテイハン。
- 09:44 @kuzan 職場の図書館には『戸籍実務六法』の方だけが、随分昔のが一冊と、最新版一冊だけが登録されている(最新版は貸出中だ)。過去の版は廃棄してるのかな。 [in reply to kuzan]
Mon, Sep 14
- 08:51 戸籍の誤字俗字の職権による訂正について、毎日放送 で18:00からやるようだ。
- 18:18 コマーシャルの後、「役所に名字が変えられた」がある。あれは名義抄?
- 18:26 安岡氏へ取材。
- 18:27 やはり類聚名義抄。それから、新潮日本漢字辞典
- 18:29 法務省は「誤字・俗字」と言っていて、「誤字」と決めつけているわけではない、と思うのだが。ちょっと、ずれてないか。
- 18:31 「久しぶりに本名の字を書く」と言っているからには、戸籍請求時に、新戸籍通りの字を書くように求められたのだろう。そこに問題がある、と私は思っている。
- 18:32 しかし、そんなに簡単に受け入れてよいのか、法務省。とも思う。
- 20:10 なるほど、『新潮日本語漢字辞典』では、「ウ+登−豆+山」(以下「宻」で代用)を、ササと読む国字扱いにしているのだな。これで市役所が動いたわけだ。
- 20:14 和製漢字の辞典 http://j.mp/X0Gku
- 20:16 もとは異体字であったとしても、「宻」はミツでなく、「ささ」に限定して使われるようになっている、ということを示さないといけないと思うのだ。
- 20:18 名義抄の異体字を全部法務省が認めるとは思えない。新潮日本語漢字辞典のような立場のがあってこそ認めるのだろうが、「宻」を国字扱いにしたのは、どのあたりに遡るのだろう。
- 20:20 「宻」を「密」の異体字として使うのは、江戸時代にもあるのを見たことがある。「ささ」の訓はどこから来たのだろう。
- 20:23 えーと、長島豊太郎の古字書索引。。。 どこだ。
- 20:40 「密」にも「宻」にも、もうひとつの異体字にも、「ささ」の訓はないなぁ。
- 20:44 ありがとうございます。そこから来た可能性は高いように思いますが、「ささ」「ささめ」「ささめき」の対応がどうだったか、などが気になります。 RT @tiyori: @kuzan ささめごとのささは「密」ですか?
- 20:57 日本古典全集の伊呂波字類抄のミの所の「密」の字。
- 21:09 類聚名義抄(古典全集本)の、山部の方の「密」
- 21:11 古典全集の正宗敦夫は著作権が切れたから、伊呂波字類抄と類聚名義抄は全部スキャンしてwebに載せたいと思ってるのだが、出来てない。
- 21:18 ウ部の方の「密」、テレビでも映された字体注記がある方、古典全集本が見あたらない。天理本では見たけれど、正宗敦夫氏に敬意を表して、天理複製本の写真は撮らない。
- 21:44 大字源の中世訓・近世訓でも見えない。
- 21:46 「密語」は「ささやく」と読まれ、そこから「密」の「ささ」(もしくは「ささや」)が析出され、「密山」ささやまの読みに繋がった、という流れは考えられる。
- 21:49 「宻山」でなく「密山」と書いて、「ささやま」という人が居そうなものだが、テレビでは「密」はミツであってササではない、「宻」はササであってミツではない、というスタンスであった。ヨシは下が長くて、吉キチとは違う字だ、という感覚と似ている。
- 22:25 今日の毎日放送の「職權による戸籍俗字訂正問題」は、http://j.mp/Brijm にそのうち、載ることでしょう。
Wed, Sep 16
- 09:42 出た|[2009/09/14]憤懣本舗「ある日突然、名字を変えられて…」 » http://bit.ly/13bpQ2
おまけ
墓に書いてある文字、崩し字で、どちらとも見えそうな字体ではないか。
「4年ぶりに書く」としてある。これはやはりおかしかろう。
本題ではないか
「結婚して名字が変わった」という御次男の名前が、テレビの最後に訂正されたものとして映ったのだが、振り仮名が振ってあった。戸籍の原本ではあるまいし、あれはなんだろう。(なお、読み自体にもちょっと目を引かれた。)
追記
『戸籍六法』*1というのを見てみたら、「氏又は名の記載に用いる文字の取扱いに関する通達等の整理について(依命通知)」の「第1 正字・俗字の取り扱いについて」に次のようにあった。
4 3の取扱いにより正字で記載した後、当該文字が漢和辞典に俗字として登載されている文字又は通達第1の1(2)の文字であることが本人の申出により明らかになったときは、通達第3の文字の記載の更正の申出があった場合の処理に準じで更正して差し支えない。
今回のケースは、これに当てはまっているわけです。
「誤字俗字・正字一覧表」の、問題の字の所に▲を付けて、おわり、というところでしょう。法務省としては。
その根拠のあいまいさが明らかになったいま、法務省は一度制度を見直す必要がありそうです。
という批判を聞く耳を持たないわけです。
なお
「誤字及び俗字」のうち、「漢和辞典に俗字として登載されている文字」ではないものを「誤字」と言っているようにも読めるが、「漢和辞典に俗字として登載されている文字」ではないものでも、「誤字」でないものはある、と言っているように読める。
*1:平成19年版による。