夢の図書館

古本屋だと思って入ったのだが、どうやら図書館らしい。「ここはもう閉める時間ですから、隣の文庫コーナーに行ってください。中公文庫などがあります」と言われ、隣の部屋に移動する。
しかし、本は並んでおらず、閉架式のような雰囲気だ。木箱のようなものにごろごろと本が入っている一角がある。文庫ではないし、えらくうち捨てられた様子だ。廃棄本だろうか。奥の方から、昔の百科辞典らしいものが出て来て、手にとってみると面白そうである。廃棄本ならもらうことが出来るだろうか、と
何冊か抱えて、カウンターらしきところに行ってみる。しかし、もらうことも出来ず、借りることも出来ないらしい。

では、メモでも取るかと、屋外にある椅子と机のあるところに本をドサッと持って行き、足下の鞄から筆記用具を取り出して、書名を書き写していると、さっきのカウンターの人とは違う、館員らしい人が現れた。
「困りますね」という表情と「悪い奴を見つけてやった」という表情を併せたような顔で、こちらを見ている。
足下の鞄の上に置いてある本を指さす。盗って帰るのだろう、という意味だ。「これは買い本ですよ」と言って、変な言い方だと思い、「よそで買った本ですよ」と言い直す。
廃棄本かと思った本にはラベルも付けられて居らず、既に買ってある本と区別が付かない。
どうしたものか。

というところで目が覚めた。



本を持ち歩いているときに本屋に入る際には、誤解がないようにせねばと思っているが、時々、裸の本を手にしたまま、書店に入ってしまうことがある。ブックオフのシールが貼ってあっても、新刊書店でシールを貼り付けて持ち帰ろうとする輩と誤解されるのではないかとおびえたりもする。そんなことをする人がいるかどうかは知らないが。


理科の冠、家電の靴。