日本語を破壊出来ているか

ルー語だとか、詩人が日本語を破壊する、とか言っているけれど、あんまり破壊されているようには思わない、というようなことを時折言うのだが、

ルー語大変換

ルー語大変換

を眺めてみた*1

文法に関しては日本語とほぼ同じです。

とある。

さて、何処が違うだろう。

副詞

外来語副詞がありそうだ。日本語の中に漢語副詞は多いが、外来語副詞はない(と思っていた)。「〜に」の形でなければ連用修飾できないのだ(「〜と」もなさそう)。
ところが、これがルー語にはあるのだ。

飛行機がアゲイン揺れた。

エスペシャリーおもしろかった

オールモスト死にかけた

のようなもの*2


漢語副詞ならこれまでもあったわけである。

飛行機が再度揺れた。

断然おもしろかった

という具合に*3


こういう、外来語副詞は、今後ひろがりを見せるのか。


これまでにも、海援隊「あんたが大将」に、「パハップス・メイビー、あんたにゃ分からんめーもん」というようなのがあった。歌謡曲に、外来語というよりも英語が混入していることは、伊藤雅光氏の指摘しているところだ。


このようなものが、日常語に入ってくるだろうか。

追記

坪内逍遙当世書生気質*4や、獅子文六「自由学校」の外来語とも比較することが出来そうだ。

*1:もちろん\105

*2:挙例は「試験に出る最重要ルー単語」から。

*3:通時的に見ると、平家物語の延慶本に多数出て来る。今昔物語集では見当たらないが、訓読のしかたの問題かもしれない。同様に、漢文訓読で、これがいつ頃からあるのか(あるいは最初からあるのか)が分かりにくいのは、漢文訓読に附されるのは、「総ルビ」(「総送り」「総訓点」)ではないからだ

*4:辻村敏樹「『当世書生気質』の外国語・外来語」(『松村明先生還暦記念論文集』。ISBN:978462542080。)によれば、金額にかかる「オンリイ」だけのようだ。