書記史
- 作者: 金水敏,渋谷勝己,乾善彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/07/29
- メディア: 単行本
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をいただきました。ありがとう存じます。
ちょうど、今日が発行日ですね。
早速、第3章まで拝読。
以前から
漢字平仮名交じり文におけるカタカナの位置づけについて、前から気になっているのですが、上の本の第3章「日本語書記の史的展開」を拝読しながら、また考える。
樺島忠夫『日本の文字』岩波新書などにも書いてあることだが、現代の漢字仮名交り文におけるカタカナは、漢字と同等の役割を担っていることが多い。
上記の本の、
日本語史のインターフェースとは何か
という文字列を見てもそうである。
しかし、一方で、同じく上記の本に見える、
誰かわしに弁当をくれんかナア
の「ナア」は、現代の漢字仮名交り文では、漢字の持っていない用法である(かつては「然うで有らう歟」のような「歟」のような例があったが、今は使わない)。そして、江戸時代までは、漢字平仮名交じり文における片仮名の用法は、ほぼ、この「ナア」のようなもの*1が中心で、「インターフェース」のようなものは珍しかった。
石綿敏雄「外来語カタカナ表記の歴史」(『日本語学』8-1片仮名)、杉本つとむ「カタカナの位置」(同誌同号)にあるように、新井白石は、漢字平仮名交じりにおいて、外国語など、自立語の片仮名書きを行っている。石綿論文では、西川如見『華夷通商考』など、後続についても書いてある*2。しかし、蘭書以外は洒落本で、読本のように、楷書平仮名交じりに近いものにそうした例が出て来るのはいつ頃なのか、と思っている。
そう思っているところに、
本朝水滸伝;紀行;三野日記;折々草 (新 日本古典文学大系)
- 作者: 高田衛,木越治,田中善信
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1992/10/20
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いや、版本部分にもありました。版本が見たい。
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01137/he13_01137_0001/he13_01137_0001_p0009.jpg
洋字
アルファベットも、
NewYorkからやって来ましたYO。
の「YO」みたいな使い方があるが、(まだ)異端だろう*3。ケータイメールでは普通か。しかし、ケータイなら、記号なども含めた用字を考えねばならないからややこしかろう。