新旧混在

今日も会議室詰は続くのだが、今日はそれを途中で三時間ほど抜けて、別の部屋へ行かないと行けない。
さて、菊池寛の『真珠婦人』を、CD-ROM『新潮文庫の絶版百冊』でみて、びっくりした。文章自体は現代仮名遣いなのだが、振り仮名が歴史的仮名遣いなのだ。逆はよく(でもないが)あるように思うが、こういうのは初めて見た。間違えた。地の文も旧仮名だ。どこを見ていたのだろう。
おそらく、同時に開いた『新潮文庫 明治の文豪』の「金色夜叉」が、新仮名だったことによるものであろうか。

「『金色夜叉』なんか、今読むと全然通俗小説ですね。」文科の学生の三宅が、その冷笑を説明するやうに、吐出すやうに云つた。(『真珠夫人』「客間の女王」四)
青空文庫も新字旧仮名*

いや、『金色夜叉』も旧仮名かな? 未確認。青空文庫では、新字旧仮名で、新潮文庫が底本とのこと*