ハモの味

昨日、カラオケの話を書いたのは、昨夜、家人が見ていたテレビで、カラオケの採点をやっていたからだが、書いているうちに、数日前に、やはり家人が見ていたコーラスグループの競い合いの番組のことを思い出した。


ホンの一部しか見ていないので、そうでない人達も出ていただろうと思うのだけれど、私が耳にしたものは、残念ながらハモっておらず、ハモるはずの音を並べている、というのに過ぎないものだった。ハモることが流行っていると聞くし、大学の中を歩いていると、ハモらせようとしている人達をよく見かける。以前にはなかったことだ。


さて、テレビのことだが、テレビに出る緊張だとか音響の所為だとかもあるのだろうが、美味しいハモの味は聞けなかった。巧い人達はうまいのだろうけれど、決勝大会レベルでこうなのか、とちょっとがっかりしたのが正直なところだ。


せっかくアカペラで歌っているのだから、ハモるはずの音を重ねるだけではなく、本当にハモって欲しいと思うものだ。


メンバーの中に絶対音感を持っている人と持っていない人が混っていて、絶対音感を持っている人が頑固だったりすると、それはハモりの邪魔だ。全体のピッチが下がってきているのに、「我一人濁らず」という具合に本来のピッチで歌い出したりすることがある。


また、平均律での和音に馴れすぎていると、本当のハモりに気付かずにハモったつもりになっていることもある。また、絶対音感を持っている人はそれに気付いても、体に染み附いた平均律を微調整してハモらせるのが辛いそうだ(もちろん、相対音感平均律が身に染み附いている人も居ないわけではないだろうが)。


ハモるのは倍音重ねだから、平均律ではちゃんとはハモらない。

知ってる人には贅注だけど。

ドの2倍がオクターブ上のド
  3倍がソ
  4倍がド
  5倍がミ これでドミソが完成
  6倍がソ
  7倍がシ♭ これでセブンス
  8倍がド

「倍」と書いたけど、絃だと「分の1」

倍音

倍音」という言い方を比喩的に使うのは、あまり好きではありません。「通奏低音」は、まだよいけれど。